2024年3月12日火曜日

およそ半年振りの復活です(笑)!

 

🐤鳥の事務所PASSAGE店通信🐤

◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40

およそ半年振りの復活です(笑)!

 

皆さん、お元気ですか? 今日は。鳥の事務所です。

いやー、前回の更新が9月でしたから、およそ半年ぶりの更新です。どうも仕事柄、秋から冬にかけては繁忙期となり、休みもへったくれもなくなってしまうので、やむを得ない仕儀とはなりますが、あったかい時期に頑張るしかないようです。

という訳で、先日、ジェイムズ・ジョイス『さまよえる人たち』を最後に、ついに我が棚は空っぽとなりました。

旅だったのはこちらです。

ジェイムズ・ジョイス『さまよえる人たち』近藤耕人訳・ 1991年・彩流社。 ……姦通と嫉妬、 同性愛、 サド= マゾの四角関係、愛と自由の背反などのテーマを、アイルランドとイギリスの確執や第一次大戦前夜のヨーロッパの時代状況を背景に描かれたジョイス唯一の戯曲にして、イプセン劇につづくケルトの近代劇と言われるものです。

こちらは最初期の入荷分でした。感慨深いものがあります。

という訳で、次の特集はこちらになります。

◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40

今を去ること40年前、1984年8月25日に、アメリカの作家トルーマン・カポーティがこの世を去りました。弱冠19歳にして短篇小説「ミリアム」で注目を集め、第一長篇小説『遠い声、遠い部屋』で、まさに全米の読書界を震撼とさせました。その後、中篇『ティファニーで朝食を』は、オードリー・ヘプバーン主演で映画化され、カポーティの文壇での位置を確かなものにしました。ところが、今までのリリシズム溢れる作品とは打って変わった第二長篇小説『冷血』は、実際の殺人事件に取材した力作でしたが、この事件が内包する事実の重さがカポーティの小説家としての能力を吸い取ったのでしょうか、その後、長期的な衰退へと向かい、実人生においても、まさに悲惨としか言いようのない末路を遂げます。偶々村上春樹さんによるカポーティ作品の翻訳が出始めています。この機会に再び、この稀有な小説家の全体像を検討してみたいと思います。どうか宜しくお願いします。

 

  トルーマン・カポーティ『夜の樹』川本三郎訳・1994年・新潮文庫。カポーティ、19歳での清新なるデビュー作「ミリアム」を始めとした最初の短篇小説集。恐らくカポーティは長篇小説作家たろうとして、結局のところにそれになり切れなかったのだと思うが、この短篇集を読むと、もっと多くの短篇小説が書かれてもよかったのにと残念に思う。カヴァー日焼け。可。270円。

  トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』村上春樹訳・2009年・文春文庫。村上春樹が最初にカポーティを訳した「無頭の鷹」や、「クリスマスの思い出」などのイノセンス3部作、また、カポーティの短篇小説では、恐らく五本の指に入ると思われる「誕生日の子どもたち」を収める。可。330円。

  トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』村上春樹訳・2002年・文藝春秋。村上春樹が最初にカポーティを訳した「無頭の鷹」や、「クリスマスの思い出」などのイノセンス3部作、また、カポーティの短篇小説では、恐らく五本の指に入ると思われる「誕生日の子どもたち」を収める。カヴァー若干汚れ有。可。880円。

 

  トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』村上春樹訳・2002年・文藝春秋。村上春樹が最初にカポーティを訳した「無頭の鷹」や、「クリスマスの思い出」などのイノセンス3部作、また、カポーティの短篇小説では、恐らく五本の指に入ると思われる「誕生日の子どもたち」を収める。カヴァー若干汚れ有。可。880円。

  トルーマン・カポーティ『遠い声 遠い部屋』河野一郎訳・1971年・新潮文庫。第一長篇小説。カポーティの或るコアの部分を露骨に、なおかつリリカルに表出した佳品。究極、この作品だけでもカポーティの文名は後世に残るはず。誰しも潜り抜ける幼少期からの離脱をここまで克明に描けるだろうか。経年劣化。可。220円。

  トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳・2008年・新潮文庫。オードリー・ヘプバーン主演の映画で知られる名作だが、よくあることだが、映画は全く別の作品である。「語り手」の一歩下がった「視点」こそ、本作の眼目である。その上での主人公ホリーの輝きなのである。可。330円。

  トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳・2008年・新潮文庫。オードリー・ヘプバーン主演の映画で知られる名作だが、よくあることだが、映画は全く別の作品である。「語り手」の一歩下がった「視点」こそ、本作の眼目である。その上での主人公ホリーの輝きなのである。可。330円。

 

  トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳・2008年・新潮社。オードリー・ヘプバーン主演の映画で知られる名作だが、よくあることだが、映画は全く別の作品である。「語り手」の一歩下がった「視点」こそ、本作の眼目である。その上での主人公ホリーの輝きなのである。可。660円。

  トルーマン・カポーティ『冷血』佐々田雅子訳・2005年・新潮文庫。アメリカ南部の田舎町で発生した一家惨殺事件に取材した筆者畢生の「ノンフィクション・ノヴェル」。この一作がカポーティの人生を狂わせたとも言える。恐らく、この作品を通じて、カポーティは作家として、一皮も二皮も剥けたのであろうが、同時に人間が見てはいけない、人間存在の闇、あるいは自分自身の闇をも見てしまったのであろう。カヴァー若干よれ有。500円。

  トルーマン・カポーティ『クリスマスの思い出』村上春樹訳・山本洋子銅版画・1990年・文藝春秋。実在したカポーティ自身の年長の従姉スックおばさんに取材したい「イノセント・ストーリー」の一冊。これだけ読んでも、ほんわかした雰囲気しか伝わってこないが、カポーティの闇部分に竿を差した作品と併読するといかに、この世界がカポーティにとって大切であったか理解できるはずだ。可。880円。

 

そして、まだ、前回の小林秀雄の特集ものが残っていました。こちらです。

  『小林秀雄全作品1 様々なる意匠』2002年・新潮社。小林第5次全集の普及版。批評家としての小林の眼目は恐らく、この文壇デビュー作「様々なる意匠」に尽きると言っても過言ではない。本巻にはデビュー以前の小説作品の習作も収められていて興味深い。カヴァーに微小な汚れ有。帯欠。可。1,200円。

  『小林秀雄全作品2324 考えるヒント()()2004年・新潮社。小林第5次全集の普及版。随筆家としての小林の魅力が充溢する佳品『考えるヒント』を中心に収める。批評家から離脱した小林の軽み、対象を手放した視点の縦横さが読者の心を楽しませる。しかしながら、「考えるヒント」になっているかどうかは疑問の余地があるかとは思う。()のみ帯欠。可。セットで2,400円。

 

 

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 さて、最近何しているかと、全く落書きもせず、大河ドラマの『光る君へ』にインスパイアされて、『源氏物語』の漫画版の、大和和紀さんによる『あさきゆめみし』を読んだり、過去の大河ドラマを梯子したりしています。『真田丸』や『葵――徳川三代』や『信長――King of Jipang』などです。

全く、何も書く気力が起きて来ないのですが、読書は細々と続けています。

イシグロは全部読みました。世評と違って、かなりマイナーの『充たされざる者』が一番面白かった、と思うのはわたしがひねくれているからでしょうか?

それから、今まで馬鹿にしていた(スイマセン)サマセット・モームの「マッキントッシュ」という短篇小説を偶然読んで、瞠目させられました。これはなかなか深く抉っているな、と思って、『人間の絆』と『月と6ペンス』という代表作を読んでみたのですが、うーーーん、さほどでもないかな、とも思いました。短篇小説に佳品が多いのかも知れないと思いつつ、一旦離脱しました。

それで、最近読もうとしているのは、打って変わって、埴谷雄高の『死霊』です。今頃か? と言われそうですが、まータイミングが合わないとこうなっちゃいますよね。今やっと「一章 癲狂院にて」を読み終わりましたが、うーーん、どうなんでしょうね。ぶっちゃけ、話が噛み合っていないようにも思いますし、小説の手法なり、構造は決して新しくなく、古色蒼然、といった感じがしますが、まあ、こればかりは読み進めていかないと分からないものです。

つーか、その前に、カポーティ論(のようなもの)を完成させなければ、とは思っています。いろいろ忙しいですね。

今日は相方も私も休みなのですが、相方は休日出勤で、その後、会社の友達と肉食いに行ったようです。

ま、そんなところでしょうか?

 

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